2008/8/19

金持ちのソーシャル・ネットワーク - 2.0

The Wall Street Journal

金持ち達は、世界有数の独自ネットワークを持っており、そのネットワークには常にお金が絡んでいる。

しかし、一方、数多くの会社が、金持ち達に新たなネットワークを売り込もうと努力を続けている。

以前、「asmallworld」や「Diamond Lounge」など、ミリオネア向けマイスペース(Myspace)を紹介したが、それらはそれぞれ異なる強みと弱みを持っていた。「asmallworld」は急成長をする一方、そのメンバーの中にはネットワークが大きくなり過ぎていると感じている人達が現れ始めている。「Diamond Lounge」は、ロンドンを拠点に、ソーシャルネットワーク、及び、ビジネスネットワークサイトとして始まったが、今では「デート&ネットワーキングサイト」に姿を変えている。

そして今、「Spire」と呼ばれるサイトが、その小競り合いに加わっている。「Spire」は、しかし、他のサイトとは、わずかに異なったビジネスモデルを持っている。「Spire」は、メンバーにネットワークを提供するのではなく、自身を「ソーシャルリソース」と名乗っている。つまり、数多くの友人を提供する代わりに、アドバイスを売り物にしている。旅行、フード、ワイン、カルチャーイベント、健康など、裕福な人が興味を持つ分野に関して、直接的な情報を提供している。

今、「Spire」のページでは、"marina2008"というユーザが、ザルツブルグフェスティバルに参加して、その内容を報告している。また、"antiquesdiva"という女性ユーザの「ベルギーの秘密」を、"Jay"という男性の「ワインの恋人小さな黒い本」というタイトルが取り上げられている。

さらに、プライベートシェフを利用するにはどうしたら良いか?イングランドのどこで有機食品を買ったら良いか?子供服のデザイナーをどうやって見つければ良いか?スペインのどこで最高のフラメンコを見られるか?などに関する特集記事も挙がっている。『そこら中に、さまざまな情報源からの不要な情報が氾濫しており、それらは面倒なだけで、誰もそんなことに構っている時間はない』と、「Spire」の「館長」、スザンヌ・アロンソン氏は言う。彼女は、『我々は、このニッチグループの人々に、ガラクタを手早く切り進むことのできる場所を提供ている』と付け加えた。

「Spire」はアロンソン氏がこれまで作ってきたビジネス、「スザンヌのファイル」を吸収するかたちとなっている。「スザンヌのファイル」は、「先見の明のある人々に質の高いライフスタイル」を提供するものであったが、「Spire」はその「スザンヌのファイル」の55,000と報告されている年収$250,000のメンバーを活用している。「Spire」は今後また、「スザンヌのファイル」のユーザレビューデータベースを利用する予定だ。

もちろん、これらのサイトに富が集まるかどうかの確証はない。しかし、サイトの目標は、非富裕層を締め出すことではなく、富裕顧客と高級広告マネーを求めて、富に関連のあるサイトを構築することだ。

うまくいくかどうかは、誰にもわからない。しかし、ニューヨークで、フランス製の幼児用ハンドメイドスリッパを必要としているならば、少なくとも、インターネットにチャンスはあるだろう(そして、誰かがクリックをするならば)。


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