2008/8/28

不景気に動じない日本の化粧業界

REUTERS

東京 - 不景気とは何だろう?日本の経済が減速を見せる中、化粧業界は、少量で数千ドル(数十万円)もするファイスクリームを厚塗りをする女性に新たな成長分野を見出している。

メディアから「勝ち組」と呼ばれる彼女達の全体数は、まだ少ない。しかし、低迷する世界第2位の経済にあって、彼女達は、高級クリームの売上を大きく拡大させてきた。

「以前に比べ、富裕層顧客の数が増加してきている」と日本のトップ化粧品会社、資生堂のスポークスマンであるエンドウ・タツヨシ氏は言う。

資生堂では、通常のスキンケア商品の過去3年間の売上の伸びが、わずか3%であったにも関わらず、2万円以上の化粧品では売上が25%跳ね上がったという。

来月、資生堂は、最高級美顔クリーム、シネルジックを、40グラム(1.4オンス)、12万6千円(1,160ドル)で市場に出予定だ。

「このクリームのターゲットは、この製品を長期的に利用する余裕のある富裕層です。」とエンドウ氏は言う。

日本では、キャリア志向の女性が増加し、彼女達は大きな購買力もっている。

大手広告代理店のグループ企業である、博報堂生活総合研究所のヤマモト・タカヨ氏は、高所得層の30代、40代女性は、約500万人は存在すると見積もっている。

「彼女達は、他人と差別化をするために、自分自身に…何か見えないものに投資をしたいのだ」と彼女は言う。

「日本女性は、世界一の長寿であり、女性は若くあり続けるためにできる限りのお金を使う。」

しかし、それら女性を注目している企業は資生堂だけではない。

化粧品会社のノエビア(Noevir)は、50グラム(1.8オンス)で10万円(921ドル)する高級ラインアップ『SPECIALE(スペチアーレ)』を用意している。

ノエビアは、ナノテクノロジーを使った究極のスキンケアと題うったこのクリームを、5年前に売り出して以来、これまで1万5千ポットを販売してきた。

『SPECIALE』ユーザであるテラオ・ユウコ氏は、はじめ値札を見てとても手が届かないと思ったという。しかし、クリームの中指を浸して、友人から薦められた後、もはや購入を躊躇することはなかった。

「友達は、若返ったと言ってくれるの。努力は実るというけれど、スキンケア製品に関しても同じことね」テラオ氏は言う。

しかし、クリームの高額な値段は、ほとんどの日本人の手に届かないものだ。

「ひとつでも買えるとは思わない。高すぎる。」43歳の主婦、キタガワ・ユウコ氏は言う。

「これだけのお金を化粧品のようなものにかけることに私は価値を感じないわ。」



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